全国に8万社以上あるといわれる神社。「一宮(いちのみや)」や「二十二社」、「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」といった言葉を耳にしたことはありませんか? これらはすべて、その神社が持つ「格式(社格)」を表す言葉です。
「神社ってどこが一番偉いの?」「格式が高い神社を見分けるにはどうすればいい?」 そんな疑問を解決するために、今回は神社の格式の仕組みや歴史を、初心者向けにどこよりもわかりやすく解説します!これを知れば、御朱印集めや神社巡りが100倍楽しくなりますよ。
そもそも神社の「格式(社格)」とは?現代のランキングと何が違う?
神社の格式(社格)とは、一言でいうと「国や朝廷、地域社会からどれだけ重要視されていたか」という歴史的な位置づけのことです。
ここで大切なポイントは、「現在の神社に、明確な上下関係(偉さのランキング)はない」ということです。
戦前の日本では、国が神社をランク付けする公式な制度がありましたが、戦後は「信教の自由」に基づき、すべての神社が法律上は対等な立場になりました。 そのため、現在使われている「格式」の多くは、過去の歴史や伝統に基づく「由緒ある呼び名」として受け継がれています。
これだけは押さえたい!歴史上の「4大神社格式」
神社の格式には、作られた時代や目的によっていくつかのシステムがあります。その中でも、神社巡りをする上で絶対に知っておきたい4つの代表的な格式をご紹介します。
朝廷から特別視された「二十二社(にじゅうにしゃ)」
平安時代、国家の重大事(天変地異や政変など)が起きた際に、朝廷が直接お祈りを捧げ、お供え物(奉幣)を贈った特に重要な22の神社のことです。 主に京都を中心とした近畿地方に集中しており、伊勢神宮、石清水八幡宮、賀茂神社(上賀茂・下鴨)、伏見稲荷大社、春日大社などが名を連ねています。
各地域でナンバーワンの「一宮(いちのみや)」
中世(平安末期〜鎌倉時代)、日本が「国(現在の都道府県のような区切り)」に分かれていた時代に、その国の中で最も格式が高いとされた神社のことです。 新しく赴任した国司(地方長官)は、まずその国の一宮から順番に参拝する決まりがありました。
※ちなみに、筑前の国(福岡県西部)の一宮は「住吉神社」や「筥崎宮」、筑後の国の一宮は「高良大社」などが有名です。
地域の神様をまとめた「総社(そうじゃ・惣社)」
国司がいちいち国内のすべての神社を回るのは大変なため、その国の神様を1箇所に合祀(まとめてお祀り)した神社のことです。ここに行けば、その地域のすべての神社をお参りしたのと同じ功徳が得られるという、現代でいう「タイパ最強」の神社として重宝されました。
明治〜戦前の公式ランク「近代社格制度」
明治時代から戦前まで、国が公式に定めていたランク付けです。大きく分けて、国が管理する「官社」と、地方自治体が管理する「諸社」に分かれていました。
- 官幣大社(かんぺいたしゃ) / 国幣大社 ➔ 最も格式が高い(出雲大社、明治神宮など)
- 別格官幣社(べっかくかんぺいしゃ) ➔ 国に尽くした歴史上の人物(織田信長や徳川家康、楠木正成など)をお祀りする神社
- 府社・県社・郷社・村社・無格社 ➔ 身近な地域の氏神さま
現在でも、神社の石碑(社号標)に「官幣大社 〇〇神社」の「官幣大社」の部分だけが削られた跡が残っていることがあり、歴史の足跡を垣間見ることができます。
格式の高い神社に共通する3つの特徴(見分け方)
歴史を知らなくても、神社の境内を観察するだけで「ここは格式が高い神社だな」と見分けるポイントがいくつかあります。
- 「大社(たいしゃ)」や「神宮(じんぐう)」という社号がついている
神社の名前の末尾(社号)にはルールがあります。一般的な「神社」や「祠(ほこら)」に対し、皇室と縁が深い神社は「神宮」、近代社格制度で大社と認められたり地域の一宮だったりする神社は「大社」と名乗ることができます。 - 鳥居や社殿の規模が大きく、広大な鎮守の森がある
格式の高い神社は、古くから天皇や貴族、武将、そして地域住民から多額の寄進を受けてきたため、境内が非常に広く、立派な建造物や歴史ある巨木(御神木)が残されています。 - 神紋(しんもん)に「菊の御紋」や「桐の紋」が使われている
瓦や幕、灯籠などに皇室の象徴である「十六弁八重表菊(菊の御紋)」が使われている神社は、朝廷や皇室から特別な崇敬を受けていた、最上級の格式を持つ神社である証拠です。
神社巡り・お宮参りをより深く、快適に楽しむためのおすすめ便利グッズ
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