【ロサンゼルス建築めぐり】旅で出会った世界的建築家の傑作10選|2024年6月訪問

建物探訪

こんにちは!2024年6月にロサンゼルスを旅行した際に訪れた建築スポットをまとめました。

ロサンゼルスは映画・エンタメの街として有名ですが、実は建築好きにとっても聖地ともいえる場所です。20世紀建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの作品が複数現存し、さらにフランク・ゲーリー・レンゾ・ピアノといったプリツカー賞受賞建築家の傑作まで間近に見られる贅沢な街です。

ロサンゼルスの建築をめぐる前に知っておきたいこと

ロサンゼルスは車社会のため建築めぐりには車またはレンタカーが必須です。ウィルシャー大通り沿いにLACMA・ピーターセン自動車博物館・Academy Museum of Motion Picturesが集中しているので、このエリアをまとめてめぐるのが効率的です。フランク・ロイド・ライトの建築2棟はロス・フェリス・ハリウッドエリアに集中しています。

① ホリホックハウス|フランク・ロイド・ライト設計・1921年竣工・ユネスコ世界遺産

訪問:2024年6月

1917年に完成し、ロサンゼルス中心街から約10km、バーンズドール・アート・パーク内にあるホリーホック邸(Hollyhock House)は、アリーン・バーンズドールという女性からの依頼で作られ、マヤ文明の遺跡からインスピレーションを受けた外観が非常に魅力的です。

2019年にユネスコの世界文化遺産「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として登録された建築のひとつです。

実際に見学して、ロサンゼルスでライトの建築をこれほど間近に見られることに感動しました。低く水平に広がるプレーリースタイルと、マヤ建築をモチーフにした幾何学的な装飾が融合した独特の空間は、100年以上前の建築とは思えないほど新鮮でした。

建築年:設計1917年・竣工1921年
設計:フランク・ロイド・ライト(アメリカ)
住所:4800 Hollywood Blvd, Los Angeles, CA 90027
見学:ガイドツアーあり(有料)・木〜日曜開館
入館料:大人7ドル・12歳以下無料

設計者|フランク・ロイド・ライト(1867〜1959年)

フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright/1867-1959年)はアメリカの建築家で、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれています。「空間の魔術師」と呼ばれたライトの建築作品は今でも多くの建築家やデザイナーに影響を与え続けています。

フランク・ロイド・ライトの他の代表作
落水荘(カウフマン邸)・ペンシルバニア州(1939年)
グッゲンハイム美術館・ニューヨーク(1959年)
帝国ホテル・東京(1923年・現在は愛知県犬山市に移築)

② エニスハウス|フランク・ロイド・ライト設計・1924年竣工

訪問:2024年6月

1923年にMabelとCharles Ennisのために設計され1925年に完成したEnnis Houseはフランク・ロイド・ライトの最後のロサンゼルス地区の繊維ブロックスタイルのプロジェクトであり最大のものでした。

マヤの建築物から着想を得てデザインされた壁の渦巻きのような模様と四角いキューブ状のコンクリートブロックが連なるデザインが特徴です。映画「ブレードランナー」の撮影に使われた建物でもあります。

ホリホックハウスを見た同じ日に外観を見学しました。ホリホックハウスとはまた異なるテイストで、より重厚でダークな印象の外観は見る者を圧倒します。同じ建築家が手がけながらもこれほど違う表情を持つ建物を同日に見られたのは贅沢な体験でした。

建築年:1923年設計・1924年竣工
設計:フランク・ロイド・ライト(アメリカ)
住所:2655 Glendower Ave, Los Angeles, CA 90027
見学:外観のみ(内部非公開)

③ グリフィス天文台|アールデコ様式の名建築・1935年竣工

訪問:2024年6月

グリフィス天文台は1935年に建設され、天体望遠鏡とプラネタリウムを備えています。アールデコ調の美しい外観と市内を一望できる高台の立地から、カリフォルニア州有数の観光スポットとして長年人気を保ち続けています。

建築としての見どころは左右対称の均整の取れたアールデコ様式の外観と、白いドームが3つ並ぶシルエットの美しさです。映画「ラ・ラ・ランド」「理由なき反抗」のロケ地としても有名で、映画ファンと建築ファンの両方を惹きつける存在です。

建築年:1935年竣工(2006年大規模改修完了)
設計:ジョン・C・オースティン&フレデリック・M・ऐシュレイ(アメリカ)
建築様式:アールデコ
住所:2800 E Observatory Rd, Los Angeles, CA 90027
入館料:無料(プラネタリウムは有料)

④ ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)|レンゾ・ピアノ設計の新館・2008年開館

訪問:2024年6月(外観見学)

2008年にオープンした新館は「ポンピドゥー・センター」や「チバウ文化センター」などで知られる建築家レンゾ・ピアノ氏が設計しました。建物に使用されている石灰華パネルはどこかロサンゼルスらしさを感じさせるデザインとなっています。

外観で特に有名なのがクリス・バーデンのパブリックアート「アーバン・ライト」。1920〜30年代の街灯202本が並ぶインスタレーションは昼も夜も圧倒的な存在感があります。新館のレンゾ・ピアノの建築は赤い鉄骨と石灰華パネルの組み合わせが印象的でした。

建築年:1965年開館・2008年新館竣工
設計(新館):レンゾ・ピアノ(イタリア)
住所:5905 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036
入館料:大人25ドル〜・17歳以下無料

設計者|レンゾ・ピアノ(1937年〜)

レンゾ・ピアノは1998年にプリツカー賞を受賞したイタリアを代表する建築家です。自然光の取り込み方と素材の繊細な扱いを得意とし、文化施設の設計において世界最高峰の評価を受けています。

レンゾ・ピアノの他の代表作 ポンピドゥー・センター(フランス・パリ、1977年)
関西国際空港旅客ターミナルビル(日本、1994年)
ニューヨーク・タイムズ本社ビル(アメリカ、2007年)
Academy Museum of Motion Pictures(アメリカ・LA、2021年)

⑤ Academy Museum of Motion Pictures|レンゾ・ピアノ設計・2021年開館

訪問:2024年6月(外観見学)

アカデミー映画博物館は球体の建物が話題になっています。建築家レンゾ・ピアノ氏による設計で中心部はシアター、上部には展望台が設けられています。

LACMAの新館と同じレンゾ・ピアノが設計しながら全く異なるデザインなのが面白いポイントです。ガラス張りの球体という大胆なフォルムはロサンゼルスのミラクルマイル地区で特に異彩を放っています。ピーターセン自動車博物館と向かい合って建っているので両方を同日に見学できます。

建築年:2021年開館
設計:レンゾ・ピアノ(イタリア)
住所:6067 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036
入館料:大人25ドル〜

⑥ ピーターセン自動車博物館|コーン・ペダーセン・フォックス設計・2015年リニューアル

訪問:2024年6月(無料エリアのみ)

波のようにデザインされた存在感たっぷりのビルディングで、六本木ヒルズ森タワーを設計したコーン・ペダーセン・フォックスが設計を担当しました。

ピーターセン・オートモーティブ・ミュージアムは「ホットロッド」など様々な自動車雑誌を創刊したロバート・E・ピーターセンが妻のマージーと共に1994年に設立しました。建物は1962年に西武百貨店のアメリカ支店として建てられた建物で2015年には大規模な改装が行われ現在の素晴らしい空間にリニューアルされました。

ステンレスのリボンが建物全体を包み込むような外観はLACMAの「アーバン・ライト」と合わせてウィルシャー大通り随一のフォトジェニックスポットです。「六本木ヒルズ森タワーと同じ設計事務所の作品」と知るとより親近感が湧きますね。

建築年:1962年建設・1994年博物館開館・2015年リニューアル竣工
設計(リニューアル):コーン・ペダーセン・フォックス(KPF、アメリカ)
住所:6060 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036
入館料:大人21ドル〜

設計者|コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)

KPFは1976年に設立されたアメリカの大手建築設計事務所で、超高層ビルと大型文化施設を得意としています。

KPFの他の代表作
六本木ヒルズ森タワー(日本・東京、2003年)
ハドソン・ヤーズ(アメリカ・ニューヨーク、2019年)
上海世界金融センター(中国、2008年)

⑦ ウォルト・ディズニー・コンサートホール|フランク・ゲーリー設計・2003年竣工

訪問:2024年6月(外観見学)

ウォルト・ディズニー・コンサートホールは1987年ウォルト・ディズニーの妻であったリリアン・ディズニーがロサンゼルスの人々の文化・芸術の向上に資することからホールの建設を決定し、設計はフランク・ゲーリー、音響は豊田泰久が担当しました。2003年10月23日ロサンゼルス・フィルハーモニックによるガラコンサートによりこけら落とし公演が行われました。

ステンレススチールのパネルが波打つ巨大な戦艦とも花びらが舞い散っているようにも見える建築で、無機質な金属を大胆に使いながら流動的なフォルムをまとい、ダイナミックに生きているかのような存在感があります。

夜のライトアップされた姿は特に美しく、思わず立ち止まって見惚れてしまいました。建設費は2億7,400万ドル、構想から完成まで16年という壮大なプロジェクトの結晶です。ロサンゼルスを代表する現代建築の傑作といえる一棟です。

建築年:1987年設計開始・2003年竣工
設計:フランク・O・ゲーリー(カナダ・アメリカ)
音響設計:豊田泰久(日本)
住所:111 S Grand Ave, Los Angeles, CA 90012
外観見学:無料・24時間
内部見学:ガイドツアーあり(無料)

設計者|フランク・O・ゲーリー(1929年〜)

フランク・O・ゲーリーはカナダ・トロント出身でロサンゼルスを拠点に活動するプリツカー賞受賞建築家(1989年受賞)です。チタンやステンレスを使った流動的な曲面フォルムが特徴で、「解体主義建築の旗手」として世界的に知られています。

フランク・ゲーリーの他の代表作
グッゲンハイム美術館ビルバオ(スペイン、1997年)
プラハのダンシング・ハウス(チェコ、1996年)
ルイ・ヴィトン財団美術館(フランス・パリ、2014年)

⑧ Paramount Pictures’ Gate|映画史を刻むハリウッドの象徴的なゲート・1926年

訪問:2024年6月(外観見学)

パラマウント・ピクチャーズのスタジオゲートはハリウッドの映画産業を象徴する建築物のひとつです。1926年にスタジオがメルローズ・アベニューに移転した際に建設され、現在に至るまでハリウッドの歴史を見守ってきた歴史的建造物です。

アーチ型の優美なゲートは映画のスクリーン越しに何度も見てきた光景で、実際に目の前に立つと「ここから映画の歴史が始まったんだ」という感慨がこみ上げてきました。現在もスタジオとして稼働しており内部ツアーも開催されています。

建築年:1926年
住所:5515 Melrose Ave, Los Angeles, CA 90038
外観見学:無料
スタジオツアー:公式サイトから予約可能

⑨ Netflix スタジオ・Amazon Studios|現代エンタメ産業を象徴する施設

訪問:2024年6月(外観見学)

Netflixスタジオ(ロスアンゼルス)とAmazon Studios(カルバーシティ)は現代の映像エンタメ産業を象徴する施設として建築的にも注目度が高まっています。

Amazon Studiosはカルバーシティの歴史あるスタジオ跡地を活用した施設で、既存の建物を活かしながら現代的な改修を加えた好例として建築界でも評価されています。パラマウントやネットフリックスと合わせてめぐることで、ハリウッドの映像産業の新旧が対比できる建築めぐりになりました。

ロサンゼルス建築めぐりのモデルコース

半日コース(ミラクルマイル・エリア)
LACMA → ピーターセン自動車博物館 → Academy Museum of Motion Pictures(3館すべて徒歩圏内)

半日コース(ハリウッド・ロスフェリスエリア)
ホリホックハウス → グリフィス天文台 → エニスハウス(外観)

1日コース(ロサンゼルス全体)
午前:ホリホックハウス → グリフィス天文台 → エニスハウス(外観)
午後:LACMA → ピーターセン → Academy Museum
夕方:Paramount Pictures’ Gate → ウォルト・ディズニー・コンサートホール(夜景)

ロサンゼルスで出会った建築家まとめ

フランク・ロイド・ライト(アメリカ) → ホリホックハウス(1921年)・エニスハウス(1924年)
フランク・O・ゲーリー(カナダ・アメリカ) → ウォルト・ディズニー・コンサートホール(2003年)
レンゾ・ピアノ(イタリア) → LACMA新館(2008年)・Academy Museum(2021年)
コーン・ペダーセン・フォックス(アメリカ) → ピーターセン自動車博物館リニューアル(2015年)

まとめ|ロサンゼルスは20世紀〜21世紀の建築が凝縮した街

ロサンゼルスは映画の街というイメージが強いですが、20世紀の巨匠フランク・ロイド・ライトから21世紀の傑作まで建築の歴史が凝縮した建築好きには必訪の街です。

特にホリホックハウスとエニスハウスはロサンゼルスにしかない建築なので、ライトファンなら絶対に見ておくべきスポットです。エンタメ観光と建築めぐりを組み合わせると、より充実したロサンゼルス旅行になりますよ!

関連記事

ロサンゼルス旅行1日目(ドジャースタジアム・大谷翔平生観戦) →
ロサンゼルス旅行2日目(現地の友人と建築・グルメ・映画の街めぐり) →
ロサンゼルス旅行3日目(ユニバーサルスタジオハリウッド) →

コメント